代表あいさつ

写真:神保誠


藤 めぐみ  Megumi Fuji

一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事。法務博士(専門職)。

1974年オーストラリア・シドニー生まれ。大阪府育ち。 大阪大学文学部卒業、関西大学法科大学院修了。

衆議院議員公設秘書、自治体職員、中間支援組織スタッフなどを経験。

2013年、LGBTと社会的養護の課題に取り組む団体「レインボーフォスターケア」を設立(2015年10月法人化)。

同年9月、IFCO世界大会(※)にて唯一LGBTのワークショップを開催。

養育里親として里子を養育。

※IFCO=家庭養護の促進と援助を目的とした世界で唯一の国際的ネットワーク機構

 

★同性カップル里親認定の活動

自治体における「同性カップルの里親」の運用改善に取り組み、2017年、大阪市での同性カップル里親認定への道を開き、その動きは、東京都における里親認定基準の改正(2018年10月施行) 、厚生労働省からの通知「里親希望者が単身、共働き、LGBT等である場合の取扱いについて」(2019年10月)につながった。現在は、他の都道府県や政令指定都市においても、里親認定の運用改善が進んでいる。

 

児童養護施設調査の活動

児童養護施設の性的マイノリティ児童の調査にも取り組み、2016年、「児童養護施設における性的マイノリティ児童の対応に関する調査」を実施(2017年5月発表)、2017年6月、同調査報告書は国会で取り上げられ、児童福祉法の一部を改正する法律案に対する付帯決議に「性的マイノリティ児童への適切な対応」について盛り込まれるとともに、同年8月、厚生労働省から「児童養護施設等における性的マイノリティの子どもに対するきめ細かな対応の実施」の通知が出された。同調査はヒアリング調査として継続、2017年8月から1年間をかけて全国の児童養護施設30カ所以上を訪問、2018年9月、「児童養護施設における性的マイノリティに関するヒアリング調査」報告書を発表した

 

現在、司法・立法・行政の各分野に携わった経験をもとに多様なセクターや研究者と連携しながら「LGBTと社会的養護」に関する提言を行っている。

講師実績:自治体人権講座、児童養護施設職員向け研修、教職員向け研修、性教育講座、大学ゲスト講義講師など。

 



 「里親」と聞いて何を思い浮かべますか?

私が友人に聞いたところ、「犬?猫?」と答える人が多いです。
実際、「里親」で検索すると上の方に犬猫の情報が出てきます。
「人間」の里親の話です、と説明しなければいけないほど、里親制度は浸透しておりません。

昨年、里親制度の勉強会を開催している方と知り合いました。
里親制度があまり知られていない、知ってもらうために努力している、と。
もっとみんなに関心を持ってもらい、登録数を増やしたい、

施設養護に偏りがちな社会的養護の形を変えていきたい……
そんなことを聞きました。

一方で、私の友人には同性カップルの方がたくさんいます。
様々な形で子育てをしている方、子育てしたいと考えている方がいます。

もともと子どもがいて離婚後同性パートナーとともに家族になった方、
非配偶者間人工授精での出産をされる方・計画をしている方…

しかし、同性カップルが里親として子育てしている話はあまり聞いたことがありません。

同性カップル達に聞いてみると、
「里親になんかなれないのでは?」

「断られそう」
「同性カップルは無理かも」

「私たちはいないことにされているんじゃないか」

という声。

そこで、勉強会をしている方に、この話をしてみると、高い関心を抱いてらっしゃいました。
 
その後、勉強会に性的マイノリティが数名加わり、様々な意見交換をしました。
LGBTと「里親・里子」との共通性、LGBT里子の問題、 欧米でのLGBT里親の事情……
想定外に話が広がり、まだまだこれから時間をかけて考えていく必要性を感じました。

そんな過程を経て、設立された

レインボーフォスターケア(RFC)。
Rainbowは、LGBTの象徴です。

また、多様性を意味しています。

様々な大人たちが、様々な形で子どもたちを見守り、子育てに関わる。
そんな社会に変わっていくためにRFCが何らかの役割を果たせるならばこんなにうれしいことはありません。

RFCは、「LGBTと里親」というキーワードを中心として、
人と人をつなぎ、様々な情報を集めて共有し、考えることから始めます。

まだまだ知識も情報も足りない団体です。
ご関心のある方とともに成長していければ、と願っています。
 どうぞよろしくお願いします。

 

2013年1月27日(任意団体設立日)

レインボーフォスターケア代表 藤めぐみ